保育園で流行しやすい病気

 ●アタマジラミ

 

     指で梳いても

     なかなか取れません。

 

 

 病原体   ・アタマジラミ
潜伏期間  ・10日~14日

      ・成虫まで2週間

 

 

 

感染経路    ・接触感染

         (頭髪から頭髪への直接接触)

         (衣服や帽子・櫛・寝具を介する感染)

症状      ・小児では多くが無症状であるが、

         吸血部分にかゆみを訴えることがある。

診断      ・頭髪の中に虫体を確認するか毛髪に付着

         している卵を見つける。

        ・卵はフケと間違われることもあるが、

         フケと違って容易には動かない。

治療方法    ・駆除薬(スミスリンパウダー)

         の使用駆除薬は卵に効果が弱いため、

         孵化期間を考慮して3~4日おきに3~4回   

         繰り返す。

予防方法    ・シャンプーを使い毎日整髪する。

        ・タオル・櫛・帽子などの共用を避け、

         衣類・シーツ・布団カバー等を熱湯

         (55°C、10分間で死滅」で洗う、または、    

         熱湯処理、アイロン、クリーニング)

感染期間    ・産卵から最初の若虫が孵化するまでの期間

         は10日から14日である。

登園のめやす  ・駆除を開始していること

 

園で気をつけること

  ・保育施設では頭を近づけ遊ぶことが多く午睡など伝播の

   機会が多い。

  ・家庭内でも伝播する。

   家族同時に駆除することが重要。

 

      2012年改訂版  厚生労働省

   保育所における感染症対策ガイドライン 参照    

         

●感染性胃腸炎     

   ☆登園時、登園届が必要となります。

病原体     ・ロタウイルス・ノロウイルス

        ・アデノウイルスなど

潜伏期間    ・ロタウイルスは1~3日

        ・ノロウイルスは12~48時間後

感染経路    ・経口(糞口)感染

        ・接触感染・食品媒介感染

  *吐物の感染力は高く、乾燥しエアロゾル化した       

   吐物から空気感染もある。

症状      ・嘔気/嘔吐・

  *下痢(乳幼児は黄色より白色調であることが多い)

        ・発熱

  *合併症 (脱水・けいれん・脳症・肝炎)

予防方法    ・ロタウイルスにはワクチンがある。

感染経路    ・症状のある時期が主なウイルス排泄期間

登園の目安   ・嘔吐・下痢等の症状が治まり普段の食事が

         できること

 

気を付けること

 ・冬に流行する乳幼児の胃腸炎はほとんどがウイルス性

  である。

 ・ロタウイルスは3歳未満の乳幼児がほとんどで、

  ノロウイルスはすべての年齢層で患者が診られる。

 ・ウイルス量が少量でも感染するので集団生活に注意する。

 ・症状が焼失した後もウイルスの排泄は2~3週間ほど続く

  ので便とおむつの取り扱いに注意する。

 ・ノロウイルス感染症では嘔吐物にもウイルスが含まれる。

  嘔吐物の適切な処理が必要である。

 ・食器などは熱湯(1分以上)や

  0.05ー0.1%次亜塩素酸ナトリウムを用いて洗浄。

 ・食品は85度、1分以上の加熱が有効。

 

    2012年改訂版  厚生労働省

   保育所における感染症対策ガイドライン 参照 

         

●インフルエンザ

 ☆登園時、意見書が必要となります。

病原体     インフルエンザウイルスA/HINI亜型

潜伏期間    1~4日間 平均2日間

感染経路    飛沫感染 接触感染

症状      突然の高熱が出現し3~4日続く。

        全身症状  ・全身倦怠感・関節痛

              ・筋肉痛・頭痛を伴う。

        呼吸器症状 ・咽頭痛・鼻汁・咳嗽

              ⊛薬1週間の経過で軽快する。

        合併症   ・肺炎・中耳炎・脳症

              ・熱性けいれん

        治療方法  ・発症後48時間以内に

               抗ウイルス薬の服用・吸入

               を開始すれば症状の軽減と

               罹病期間の短縮ができる。

感染経路    症状がある期間

       (発症前24時間から発病後3日程度までが最も

        感染力が強い)

登園の目安   発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日

        を経過するまで

       (幼児にあっては3日を経過するまで)

 

園で気をつけること

 ・日本では毎年(12月上旬~翌年3月頃)に流行する。

 ・飛沫感染対策として、流行期間中は、可能なものは全員

  が咳エチケットに務める。特に職員は厳守すること。

 ・接触感染対策としての手洗いの施行を指導する。

 ・消毒は発症者が直接触り、唾液や痰などの液体が付着して

  いるものを中心に行う。

 ・加湿器を用いて室内の湿度・温度を園児たちが過ごしや

  すい環境に保つ。

 ・送迎者が罹患している時は送迎を控えてもらう。

  どうしても送迎せざるを得ない場合は、

  必ずマスクを着用してもらう。

 ・抗ウイルス薬を服用した場合、解熱は早いが、

  ウイルスの排出は続く。

 ・抗ウイルス薬の服用に関しては、服用後の見守りを

  丁寧に行う。

 

    2012年改訂版  厚生労働省

   保育所における感染症対策ガイドライン 参照 

         

 

 

●手足口病 

 ☆登園時、登園届が必要となります。

症状   水泡性の発しんが口腔粘膜および四肢末端(手掌、足底、足背)に現れる。水泡は痂疲形成せずに治癒する場合が多い。発熱は軽度である。口内炎がひどくて、食事がとれないことがある。
潜伏期間        3~6日

感染経路        飛沫感染 糞口感染(経口) 

        接触感染

感染期間       唾液へのウイルスの排泄は通常1週間未満

           糞便への排泄は発症から数週間持続する。

登園のめやす   発熱がなく(解熱後1日以上経過し)普段の

         食事ができること。流行の阻止を狙っての   

         登園停止はウイルスの排出期間も長く現実  

         的ではない。

診断       臨床的診断

治療療法     対処療法

予防方法     ワクチンはない 

 

園で気を付けること

 夏季(7月がピーク)に流行する。

 回復後もウイルスは、呼吸器から1~2週間、糞便から    

 2~4週間にわたって排泄されるので、おむつなどの取り 

 扱いに注意する。

 遊具は個人別にする。

 手洗いを施行する。

 エンテロウイルスは無菌性髄膜炎の原因の90%を占め、

 まれに脳炎を伴った重症になることがある。

 コサッキーA6型の手足口病では爪が別離する症状が後で

 見られることがある。

      

    2012年改訂版  厚生労働省

   保育所における感染症対策ガイドライン 参照